【お知らせ】
4/20(土)野草入り酵素作り🌿とピラミッドでヒプノ@梁川(山梨県)、お申し込み受付終了しました。詳しくはこちら
チャリティ企画:5/8(水)屋久島のなおちゃんと、ZOOMでクジラお話会🐳(録画視聴可)、お申し込み受付中。詳しくはこちら
5/12(日)ヒマラヤの山奥に暮らす、むっちゃんとのZOOMお話会vol.2(録画視聴可)、お申し込み受付中。詳しくはこちら
2024年4月より、RASのセルフケア講座、ファシリテーター養成講座、特別解放コース、ファシリ向けカラーカード講座の料金が10%UPすることになりました。

【リトリート】
7/9(火)〜14(日)加計呂麻島&奄美大島リトリート5泊6日は、残1席となっております。
現在、五島列島、天草でのリトリートのご希望をいただいております。2名いらっしゃったら日程を決めて、あと1名募集しますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

【ゼニスオメガヒーリング・プラクティショナー養成講座】
2020年より、ZOOMでのオンライン授業が可能になりました。詳しくはこちら。テキストを事前に送る都合上、開催1週間前には受付終了とさせていただきます。2023年4月より対面授業も再開しますが、オンラインの方が人数は集まりやすいです。
レベル1を受講希望の方がいらっしゃいます。新規受講者3名以上でオンライン開催決定(4名以上で対面開催も可能)となりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
レベル1〜5まで、ご希望に合わせて随時開催中です。他校からの生徒さんもどうぞ。お気軽にお問い合わせ下さい。授業内容について詳しくはこちら

RASセルフケア講座に関するQ&Aはこちら。(受講された方へ)

2013/11/28

思想家・内田樹さん


私はこういう仕事をしているせいか、
お客さんには「まゆさんはテレビなんて見ないのかと思ってました」
としばしば言われます。

でも、こちらでブログを読んでいただいている方は
すでにお気づきの通り、まあ、割と見ます。(笑) 

特にインタビューものが好きで、
Eテレで放映中の「SWITCHインタビュー 達人達」はよく見るんですが、
先日の能楽師・観世清和さんと思想家・内田樹さんの対談も
面白かったですよ。

内田さんは思想家ですが、武道家でもあり、能楽もなさるんです。
私なんかは、その辺の、身体と思考と魂のバランスの取り方にも、
共感するんですよね。

私が内田樹さんを知ったのは、震災後のTwitterでだったんですが、
言ってることが至極真っ当で、納得できて、
日本の未来、政治経済、教育問題からマンガ論まで
分かりやすく論じてくれて、気になる存在となりました。
出版された著書は今年だけですでに10冊になるそうです。

私はテレビや映画、ドラマ、雑誌のインタビュー記事などで
気になる台詞があるとノートに書き留めるクセが昔っからあるんですが、
この番組の内田さんの言葉を自分の手元にだけ置いておくのももったいないな、と思い、どうせなら、ここでシェアしよう!と思いました。
だから今回は、私のメモ代わり、な感じです。


内田
「今みたいなスピードで世の中が変わっていくっていうことには、
もう無理があると思うんですね。人間の感覚としてちょっと早すぎる。

こんなに早く時間が流れていったり、
社会のシステムが変化していったりすることって
もう耐えられなくなってると思うんですね。

まあ、新しいものに次々と移って、古いものを捨てていく
ってことに対して違和感がみんな、発生してると思うんです。

で、なんか、日本はダメだダメだと、
このままでは世界の三等国に、どんどん没落してしまうんだから、
だから何かやらなきゃ、一旗あげなきゃ、って議論が多いんですけども、
それは筋違いな気がするんですよね。

十分豊かだし、日本ほど自然資源に恵まれているところはなくて、
森林面積が国土の七割近くて、水資源も豊富だし、四季の変化もあるし、
とてもある種住むに快適なところなわけですよね。

日本人にしか分からない、深ーいところにある、
日本文化の古い地下水脈みたいなものがあると思うんですけども、
それに触れないと、どうも日本人はイノベーションを起すとか
自信を持って生きるとかいうことができないような気がするんです。

考えてるのは、日本の大体中世の頃に、
今の自分たちに繋がるような文化の源流ができたと。
それが武芸と能楽と鎌倉仏教だったのではないか
というアイデアがありまして。

日本人が発明した、自然の力を自分の身体に一回通すことによって、
人間の世界に一つの有用なものを実現させていくための技術、ですね。

人間がいくら筋力をつけても骨格を強くしても
絶対に出せないような強大な力が、
自分の身体を一つのパイプにして発動していくのが武芸なわけですけども、
能楽も実は全く同じだと思うんですよね。」


「95年の阪神淡路大震災の後に、
震災経験者の中に2つタイプがあるんですよね。

ひとつは、何を失くしたか、ということを数え上げて、
『あれも失くした、これも失くした』っていうふうにしてね、
どんどん気が滅入っていく人がいて、一方に、
『ああ、よかった。生き残って。家族もいるし。と
りあえず屋根のある所でなんとか暮らせてるし。』って、
残ったものを数え上げる人がいるんですよね。

僕、今の日本人が必要なものっていうのは、
手元にあるものを数え上げていって、こんなに豊かな、
こんなに生産的なものがまだ日本にはいっぱいあるんだ
っていうことを発見して、よかったよかったと喜ぶような、
そういう気持ちの切り替えがもしかすると一番大事かなって気がしますね。」


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観世
「(能は)650年を一括りにして、
もう2倍先の650年まで見通して考えていかないと
続けていくこともできないんじゃないかと。」

内田
「寿命1300年という生命体をイメージして、
今の現在における自分の振る舞いを決めているのを聞いて、
こんなこと言った人初めて見たと思った。

今の現代日本人て、本当にその逆になっていて、
今だけよければそれでいいとか、せいぜい2年3年、
もう未来の世代のことなんて関係ない、
原発の放射性廃棄物が出ようと、年金システムが破綻しようと、
そんなの関係ないじゃん、今がよければいい。
今ちゃんとしなければ未来なんかないんだからっていう。

ものすごく短い時間の枠の中でしか自分の行動の適否を判断したり、
何をしたりっていうのを決定しないような。

1300年の立ち位置の中で『私は今日何をすべきか』を考える
っていうのを聞いた時に『これだ!』と思ったんですよ。

一番現代日本人に欠けてるものって、
過去何百年、未来何百年の中で、
自分の今日の振る舞いを決めるっていうような心の持ち方だと思うんです。」


こちらの内田さんと観世さんの対談も面白いので、能に興味のある方は是非。