2014年の初女さんとランディさん |
佐藤初女さんがお亡くなりになりましたね。
私はお客さんからメールをいただいて知りました。
94歳。
淋しい気持ちにはなりますが、
きっと凛としたまま、
あちらの世界に還られたんだろうな、と思います。
私は過去に2回、初女さんの講演会に行った時のことを
ブログに書かせていただきました。
2011年 佐藤初女さんの講演会
2014年 佐藤初女×田口ランディ「深き森の語らい」
私たちに残してくれた、
あたたかい、示唆に富んだ言葉の数々に、
そして生き様を持って教えてくれた
言葉には言い表せないいろんなことに、
とにかく感謝しかありません。
2011年の講演会にて |
その、2014年のランディさんとの対談の際に、
最初にランディさんが初女さんへの詩を朗読されていたんですが、
とてもそれが印象深くて、
すぐにランディさんを好きになりました。
自分の弱さをさらけ出せるなんて、強い人だなぁと。
ぜひまたあの詩を聞きたいなぁ…と思っていました。
そしたら、
2015年の秋に出版された
「いのちのエール〜初女おかあさんから娘たちへ」
に収録されているというではありませんか!!
皆さんにもシェアしたいなぁ
と思っていたので、うれしいです。^ ^
*****
自分が
自分が
そう思って生きてきた
自分のことばかり考えて
自分の都合を押しつけて
何かしてあげようと思い
してあげることに夢中になり
相手の話はよく聞かず
一を聞いて十を知った気になり
何かが上手くいかないと
外側に理由を探し
苦しいのは自分だけだと感じ
持っているものの有難みをわかろうとせず
ないものばかりの数を数えて
ああしよう こうしようと計算し
思い通りにならないと
腹を立てて苦しみ
苦しいことも全部人のせいにして
誰かが自分を幸せにしてくれると思い
叶わぬと嘆いて
手に入らぬものは あれはすっぱい葡萄だと言い
手に入れたものは たいしたものではないと満足ができず
そういう自分をどうにかできると思い
自分ではないものに憧れて
自分が
自分がと
自分のことばかりしゃべってきた
自分のことばかり考えていると
だんだん苦しくなってどうしようもなくなって
心が破れそうになった
そんな時
初女さんはそっと教えてくれました
言葉を超えてね
言葉を超えるってどういうことかな
と思った
ずっと分からなかった
言葉はいつもここにある
わたしを満たしている
わたしは考えで一杯
でも初女さんの隣にいる時
しんとする
初女さんはとても静か
ああ、なんて静かで深いんだろう
深い森の中の湖のよう
ほんとうは静かになりたい
求めているのは静けさなのに
心はいつも波立っている
この静けさに、触れたい
何も話さなくていい
ただじっと、この沈黙の中にいたい
沈黙の中にある 無音に耳を澄ます
こんなに豊かな静寂が
言葉と言葉の間に満ちている
すると、はるか遠くから
わたしを呼ぶ声がする
呼ばれた時
やっとわたしはここにいると気づいた
呼ばれている
空の果てから美しい鐘の音に
なんだ、わたしはあの音に
ずっと呼ばれていたんだ
2011年にいただいたサイン。宝物。 |
2014年 佐藤初女×田口ランディ「深き森の語らい」
にも書きましたが、
この時、子供のいるお母さんから、
もう母親だから子供を愛してあげないといけないのに、
自分がまだ愛されたいと思っている。
まだ満たされていないから、愛して欲しい、
満たして欲しいと思ってしまう。
どうしたらいいでしょうか。
・・・というような質問がありました。
ランディさんはすっぱり断言していたんです。
親や他人に愛されることで自分を満たすのは、
はっきりいって無理だと。
「自分のことは、自分で満たすしかないんですよ」と。
この詩を読むと、
ランディさんがどんな気持ちでそれを言っていたのか、
もっと理解できますよね。
本の表紙には
「できる できない」は問題じゃない
大切なのは「する」かどうか。
と書かれています。
自分で自分を満たそうじゃないですか。
「できない」なんて言わないで。
大切なのは、「する」かどうか。
きっと、初女さんもあちらから、
この世でジタバタする私たちを
静かに見守ってくれているでしょう。
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