「嫉妬」といっても、
残念ながら、恋愛における「嫉妬」ではありません。
仕事だったり、生き方だったり、における「嫉妬」のお話です。
「嫉妬」ってもの自体に、いいイメージってないですよね?
人間のドロドロした方の部分っていうか。いかにもエゴって感じで。
でも、人間だったらほとんどの人が感じたことのある感情だと思います。
この感情は決して楽しいものじゃないし、苦しいことの方が多いけど、すごく自分の本心に気づかせてくれる感情でもありますよねぇ。
先日「やりたいことが分からない、という方へ」というブログを書いたばかりですが、やりたいことが分からない…と思っていても、ある時ふと、誰かから何かを聞いた時や、TVや雑誌で何かを見た時に「羨ましいな」とか「いいなぁ」と思ったりすることは、あると思うんです。そんな時はもう一歩踏み込んで「なんで羨ましいと思ったんだろう?」「なんでいいなと思うんだろう?」ってことも、是非考えてみてほしいなぁと思うんですね。
「私のボトル体験記」でも赤裸々に書かせていただきましたが(笑)、私の高校生の時の夢は「音楽雑誌の編集者」だったわけです。でもいきなりそうはなれなくて、2度目の就職先でやったのは「アート&サブカル雑誌の編集」でした。その企画の中で、CDジャケットを中心に活躍するアートディレクター、信藤三雄さんの特集をやったんですが、信藤さんといえば、当時「お、いいな」と思うジャケットはほとんど手がけてる、ってくらいの圧倒的なスター・デザイナーだったんですね。サザン、SMAP、UA、小泉今日子、ミスチル、ピチカート・ファイブ、フリッパーズ・ギター、コーネリアス、カヒミ・カリィ、オリジナル・ラヴ、ブランキー・ジェット・シティ、松任谷由実、MISIA、My Little Lover…あげたらキリがありません。で、これもご縁だなぁと思うんですが、デザイナーやレコード会社のスタッフに取材する中で、私はやっぱり羨ましさを感じてしまったんですよ。
やっぱりいいなぁ…
音楽の世界で働いてみたいなぁ… って。
で、我に返りました。
羨ましいって思うってことは、私もそれをやりたいってことじゃん!!
取材しているうちは、ちょっと関われた気にはなれるけど、あくまで外部なわけです。外部じゃなくて、あの輪の中に、入りたくなっちゃったんですよね。
で、3年後にレコード会社に転職。しかも、CDジャケットを制作する部署。しかも、信藤さんとは5年間ガッツリ、ほぼ途切れることなく一緒にお仕事させていただき、いまだに交流を持たせていただいております。
なので、この頃から私は、「いいな」「羨ましいな」という感情が湧いた時には必ず、「なんでそう思うんだろう?」「私は本当はどうしたいって思ってるんだろう?」ということを考えてみて、「じゃあこうしてみよう」「こういう目標を持ってみよう」と、行動に繋げるようになりました。
その中には、自覚があったことも、なかったことも、あります。
だからむしろ、自分の中に「嫉妬」の感情を見つけたら、シメタもの。
そこから自分のやりたいことをたぐり寄せてみて下さい。
幸せそうな人を見ると羨ましい、とかでもいいんですよ。
あなたは、幸せになりたいってことです。
じゃあ、自分はどういうことに幸せを感じるんだろう?
何をしている時、そう感じるだろう?
もっと掘り下げていってみて下さい。
じゃあ、今何をしたらいいのか、が分かってくるはずです。
感情は、溺れるものじゃなくって、本当の自分の声に気づかせてくれるものだと思います。「嫉妬」だって、利用しちゃいましょう。