今も捨てられない、感動の座席表 |
大抵の人がそうだと思いますが、私たちは
「他人に理解されたい、認められたい」という願望を持っています。
だから、「理解されていない、認められていない」と感じると、
落ち込んだり、怒ったり、人それぞれの仕方で反応します。
そして「理解されよう、認められよう」とがんばります。
これ、いいように作用しているうちはいいのですが、
そうじゃないと結構しんどいですよね。
例えば、ああ言えばこう言う、素直じゃない部下。
これに悩まされた(されている)経験がある方、多いのでは?(笑)
私もありました。
撮影現場に一番下っ端のクセに遅刻してくること続けて2回、
いい加減過ぎる勤務態度を注意すると
「ジェネレーションギャップですよぉ〜」と自分のだらしなさを
自己正当化する反省のない態度。
そんな彼女に対して、当時の私はまだ若かったのもあって
余裕ってものがなかったですから、たびたびムッときてました。
最初は叱ってるつもりなんだけど、
だんだん感情的になってきて怒ってるっていう。(笑)
でも怒るのもエネルギーいるし、自己嫌悪にも陥るし、
空しくなるし、何より疲れるんですよねぇ。
で、それがマックスに達してきた時、私は
「もう会社を辞めたい…」と思っていました。
怒るのに疲れきってしまったんですね。
ところが、私が言うよりほんの少しだけ早く、
彼女が「辞めます」と言って去っていきました。
正直、もう怒らないで済むと思うとほっとしたものです。
それから3年くらいたって彼女に
「結婚することになったので、招待状送りたいから住所を教えて下さい」
と言われました。
私は当然、2次会の案内だろうと思っていたんですが、
届いてみるとそれは結婚式と披露宴の招待状。
正直、びっくりしました。
あの頃ははっきり言ってウザイと思われてたと思うし、
嫌われているものだとばかり思っていたんです。
会場に行ってみたらさらにびっくり。
新郎新婦に一番近い席が用意されてるじゃあないですか。
しかも座席表に粋な計らいがあって、新郎新婦それぞれ、
自分が招待したお客さんの名前の下に、
その人を紹介するコメントを書いていたんです。
私の名前の下にはなんて書いてあったかというと…
「在籍中に仕事とは何ぞやを教えてくれた方」
とありました。
その後に「ひとりウルルンを敢行したり、実はオーラソーマ師だったり抜群の行動力の持ち主」と続いていたんですが(笑)、私はもう、本当に、心から感動・感激したんですよ。
あぁぁ、ちゃんと伝わってたんだぁぁ…って。
その3年ほどの間に、彼女もいろいろな体験をして、学んだんでしょうね。それで、何か気づいたことがあったんだと思います。それが何かは知りませんが、とにかく私は嬉しくって、うるうるしてました。
そして彼女のおかげで私は、すぐには分かってもらえなくても、
いつか分かってもらえるってこともあるんだなぁ、
ということに気づくことができました。
子育てなんて、その極みでしょうね、きっと。(私は経験してませんが)
「いつか分かってもらえればいいや」と思いながらやるのと、
「今分かって欲しい」と思ってやるのとでは、
気持ちの余裕に結構な差が生まれます。
不思議なことに、このことに気づいた途端、
似たような出来事が相次ぎました。
だから、今となっては彼女にも感謝感謝です。
あの時は分かってもらえなくて悲しくて辛い思いをしたけど、
なんだ、時間がたつと分かってもらえたりするんだ…
その度にそのことを確信するようになり、私の中に
「いつか分かってもらえたらよしとする」という価値観が定着。
今に至っております。
時間が必要なことって、やっぱりあると思うんです。
今この場で分かってもらえるにこしたことはないけど、
なかなかそうもいきません。
理解されないこと自体を悲しんだり怒ったりしてみても、
エネルギーの無駄ってもの。
他人はコントロールできませんからねぇ。
それよりは自分の方をコントロールして、
「いつか分かってもらえればいいや」っていう気持ちにシフトして、
捉われている思いから焦点を外すこと、自分を解放してあげること、
にエネルギーを注ぐ方が意味がありそうだと思いませんか?
そうやって一度フラットな所に自分を持っていってあげると、
かなり建設的に物事は進み始めます。
お試しあれ。
試そうにもどうにも気持ちをシフトできん!って方は、
ヒーリングでもセラピーでも、頼ってみて下さいね。
私なら、ここにおりますよ。(笑)