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【リトリート】
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リトリートのリクエストは、場所や時期にもよりますが、宿などが取りづらいので、少なくとも開催の2ヶ月前、できれば3ヶ月前 にはいただけると嬉しいです。


【ゼニスオメガヒーリング・プラクティショナー養成講座】
2020年より『マスターティーチャーのみ』ZOOMでのオンライン授業が可能になりました。詳しくはこちら。テキストを事前に送る都合上、開催1週間前には受付終了とさせていただきます。2023年4月より対面授業も再開しますが、オンラインの方が人数は集まりやすいです。

レベル1〜5まで、ご希望に合わせて随時開催中です。他校からの生徒さんもどうぞ。お気軽にお問い合わせ下さい。授業内容について詳しくはこちら

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2013/11/23

GOMAさんの「フラッシュバックメモリーズ」



皆さんはディジュリドゥ奏者のGOMAさんをご存知ですか?

ディジュリドゥというのは、
オーストラリアの先住民アボリジニが作った、
世界最古と言われる管楽器の一つ。

この神秘的な倍音を聞くと想像できると思うのですが、
アボリジニはこれを精霊と交信するために祭儀で使っていたとも言われています。


私は、ちょうどGOMAさんがオーストラリアから戻って
日本でライブを始めた1998年頃だったでしょうか、
よくライブ会場で配られるチラシでその名を目にするようになり、
ディジュリドゥという不思議な響きの言葉に
「どんな音の楽器なんだろう?」とずっと気になっていました。


そしたら、なんと友人の結婚パーティーで
GOMAさんの生演奏を聞く機会が到来。 

次いで、レコード会社時代にジャケットを担当していた
AJICOのドラマー・椎野恭一さん
GOMA & the Jungle Rhythm Sectionというバンドを
一緒にやるということで、「これは!」と思って
ライブを見に行くようになりました。

これがまた、かっこいいんです。
その音とリズムに身を任せていると、まさにそれは…
踊る瞑想状態。(笑)


ところがGOMAさんは2009年に交通事故にあい、
記憶の一部が消える、新しいことが覚えづらくなる、
という脳機能障害を負ってしまいます。
(詳しくは是非、CINRAインタビュー「記憶を失った音楽家GOMAが『未来』を信じるまで」と「失った過去と、歩み始めた新しい人生」、NOSVISロングインタビューを読んでみて下さい!)

桜座にて。左から汀さん、達也さん、GOMAさん。

そして今年の夏、
甲府の桜座で行われた「ニホンオオカミの足跡」
というライブで久々にGOMAさんの演奏を聞きました。
しかも、ドラマー・中村達也さんダンサー・田中泯さんピアニスト・スガダイローさんという、たまらない面々とのコラボレーション。
生だからこその奇跡。
この場に居合わせたことに幸せを感じた夜でした。


秋には、数えきれないほど見てきた達也さんのバンド、
LOSALIOSのライブにGOMAさんがゲスト出演。
改めて、ディジュリドゥの音色が私の中に響き始めました。


そんな流れの中、上村汀さんに「絶対に見た方がいい!」
とすんごく勧められたのもあって、ついに先日、
GOMAさんの3Dドキュメンタリー映画
「フラッシュバックメモリーズ」の4D版を立川まで見に行ってきましたよ〜!


4Dっていうのは、3D映画を上映しながら、
劇中にほぼノンストップで流れるGOMA & The JRSのライブを
生演奏でも聞ける、ってこと。

なので会場は、映画館なのにライブ会場状態の盛り上がり。
なんでしょう、映画の感動と、身体中に響き渡る振動と、
そのハーモニーが、同時に押し寄せる感じ。
自分の中で、何かが、満ちます。溢れます。


特に、GOMAさんの愛娘のまひろちゃんが
誕生日に自転車をもらって喜ぶ場面。
そこに、GOMAさんの日記の言葉。

「神様 この記憶だけは 消さないでください。」

痛切な祈り。


私たちは普段、自分の記憶に感謝しているでしょうか。
当たり前のことが、なんて素晴らしいことか。


GOMAさんの奥さんがまたすごいなぁと思いました。
奥さんの日記の言葉も散りばめられているんですが、
どこか、落ち着いているというか、淡々としていて、
受け入れているし、受けとめてる。
実際は、不安にならないはずがないし、
いろんな葛藤があったと思うんですが、
ちゃんと寄り添って支えてる…その姿、その愛情に、感動します。
愛、としか、言いようがない。


「記憶」というものについても、考えさせられました。
以前「記憶、というもの」というブログを書きましたが、
私はもともと、ヒプノセラピーをやっているのもあって、
記憶という不思議なものについて、よく考えます。

記憶がなかったら、
私たちは自分というものを定義できなくなってしまうんだろうか? 
アイデンティティーは、過去の積み重ねにしか見出せないものなんだろうか? 
だったら、ただ、今、ここにいる自分は、一体何者? 


GOMAさんが日記の中で
「自分はどの時間軸にも属していない気がする」
と書いていたのも深く印象に残りました。

会話というのはほとんど過去の記憶で成り立っていて、
記憶のない自分は何を話していいか分からない、
だからうまく人と会話ができない、という辛さ。

私たちは無意識に、時間や場所やコミュニティなど、
常にどこかに属していることで安心しているんだ、ということに気づかされます。


ただ私は、記憶というものは、脳にだけでなく、
身体にも細胞にも魂にも、刻まれていると思ってるんですね。
ヒプノで、お客さんが普段は思い出せない過去世の記憶を思い出すときも、
それは脳からというより、魂から来る記憶、というか。

だから例え脳が傷ついてしまっても、
記憶は完全に消えてしまったわけではなくて、
潜在意識にはちゃんと残っているはず…と思っています。

GOMAさんも、ディジュリドゥが楽器であることすら忘れてしまっても、
吹き方はちゃんと身体が覚えていて、
吹き始めてみると、少しずつ、身体が動くようになったそうです。
人間ってすごい!と思います。


映画には、GOMAさんが事故にあった後、
いわゆる臨死体験をする場面もでてきます。
それは、ヒプノで皆さんが前世の死を体験した後、
意識だけになって雲の上に昇っていった時に目にする光景と同じ。
光に包まれた世界。


「生きてさえいれば、希望さえ捨てなければ、
 再び笑える日が必ず来ると言う事を、
 障害を抱えた自分が活動を再開して行く事を通じて伝えて行きたい」


きっとGOMAさんは、
私たちにいろんなことを気づかせてくれるためにも、
戻ってきてくれたのだと思います。

映画の中の「自分を信じる!」って言葉は、
上っ面ではなくて、本当に心から絞り出された言葉として、
ぐっと迫ってきます。それは、パワーそのもの。

人は、何かを失ったように見えても、
決して失うだけじゃないんですよね。


皆さんも、映画、見てみて下さいね。
GOMAさんの神々しいディジュリドゥも聞いてみて下さいね。
そして、事故後に急に描き始めたという絵がまたいいんです!

12/21(土)22(日)に江戸川区で絵画展があるそうなので、是非。
22日にある高次脳機能障害の専門医・長谷川先生との対談も面白そうですよ。
詳しくは、こちら